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「卵かけご飯、香港でブーム 独自に進化、究極のTKG ~香港~」
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番組紹介
“ある絶品グルメ”で人気のお店には、外国人の姿も…。お目当ての絶品グルメとは、日本の国民食の一つ「卵かけご飯」!今や海外でもちょっとしたブームになっています。
香港では、独自の進化を遂げた「究極のTKG」。一体なぜ、香港で卵かけご飯がブームになっているのでしょうか?その人気の秘密を追跡しました。
■香港で卵料理は人気だが…“生で食べる習慣なし”
日本の卵の生産量は年間およそ250万トン。99%は国内で消費、残り1%は輸出されていますが、その9割以上、4億個を占めるのが、実は香港。今なぜ、香港で卵かけご飯が人気なのでしょうか?
まずは、街で卵かけご飯について聞いてみました。
香港の人:「おいしい!」「初めて食べた時は特別な味がしたわ。やわらかいし香りもあっておいしい」「香港の人は日本料理が大好きなんだ」
「卵かけご飯を食べたことがある」という人は、10人中8人でした。
続いて向かったのは市場。地元産の卵は10個でおよそ250円と、現在の日本の卵よりも少し安い程度です。
店主:「卵は目玉焼きや蒸しても、簡単でおいしいからね。毎日必ず2個食べるよ」
香港でも卵料理は人気のようですが…。
店主:「生では食べない。必ず火を通してから食べるよ」
■日本の卵の輸入量 3年間で“3倍以上に急増”
生で食べる習慣がない香港でなぜ、卵かけご飯がブームに?
そのきっかけになったのが、4年前にオープンした日本料理店「米気(マイヘイ)」。店内はお客さんで大にぎわいです。
人気メニューは、卵かけご飯をメインにした定食。卵はもちろん、お米もすべて日本産。卵とご飯のセットは、日本円でおよそ380円。
来店客:「とってもおいしいわ!。日本の卵は他の国と比べて味が濃いから、ご飯に生でかけて食べるとよりおいしく感じるの」
中華料理といえば火を使うことが多く、生卵を食べる習慣はなかったはずですが…。
来店客:「日本に旅行で行った時に食べてから好きになりました。生でも安心して食べられます」
このお店では、大分県産の新鮮な卵を空輸で取り寄せるこだわりぶり。でも、一体なぜ香港で卵かけご飯を?
日本料理店「米気」 ジョーンズ・チャンオーナー:「香港であまり見掛けない料理をメニューにしたいと思った時、しょうゆと卵を混ぜた日本のご飯なら珍しいし、香港の人は日本料理も卵料理も好きなんです。卵かけご飯も好きになると自信があったので、メニューにしました」
その狙いは、見事的中。見た目にもインパクトがあるとSNSなどで徐々に人気が広まったといいます。
今では「日本の卵はおいしくて安心・安全」、そんなイメージも広がり、家庭でも食べられるようになりました。
香港のスーパーでは、卵コーナーの約半分が日本産。その中には、生食用の卵もあります。お値段は10個でおよそ750円です。
実は、コロナ禍での巣ごもり需要・健康志向もあり「栄養があっておいしい」と評判になっているといいます。日本の卵の輸入量は、この3年間で3倍以上に急増しました。
卵は船便で輸送されることが多く、産卵から香港まで10日ほどかかりますが、生卵の賞味期限は2〜3週間。十分鮮度を保てるため、生食用としても流通しているといいます。
■日本の徹底した衛生管理 「生で食べられる卵」に
海外では食べる習慣がほとんどない生卵。なぜ日本では当たり前のように生で食べられるのでしょうか?
香港に卵を輸出している会社の「生産センター」を訪ねました。検査場の中へ。
京葉ポートリー 竹島弘晃さん:「隣の鶏舎で採れた卵が毎日運ばれてきます。一日90万〜100万個」
運ばれて来た卵はまず、洗浄と殺菌をします。
竹島さん:「大腸菌やサルモネラ菌が付着している可能性があります」
そして、卵の表面をたたいて、割れていないかを判別。その後、光を当て血玉などの内側の異常を検知します。
ここでは、作業は完全自動化。つまり、産卵された卵に初めて触れるのは消費者になります。
クレスト 阪東英明さん:「日本は生で食べることを前提としているので、世界的に見ても厳しく衛生管理をしている」
日本の徹底した衛生管理が、世界に誇れる「生で食べられる卵」を支えていたのです。
■「究極のTKG」 白身をメレンゲに…なぜ?
この日、香港で5店舗と急拡大している日本の卵の専門店に向かいました。“進化した卵かけご飯”でブームに拍車を掛けた仕掛け人のお店だといいます。
店名は「たまご園」。店内は、卵のイメージで統一。自慢のメニューは、見た目が可愛らしい5本のたまご串など日本産の卵だけを使ったこだわりの卵料理。
そして、香港で今大人気だという卵かけご飯「究極のTKG」。日本円でおよそ700円。ふわふわとしたこの白い物体、実は、卵の白身をメレンゲにしたものです。
特に、香港の人が好きなサーモンやアボカド、いくらとのマッチングも人気の秘密となっています。
来店客:「白身がクリームみたいにふわふわで、食感が面白いの」
実は、白身をメレンゲにしたのは、見た目以外にも理由がありました。
「たまご園」ENグループ ピーター・ン社長:「メレンゲにすることで、生々しさよりもクリーミーな印象に」
生卵のヌルッとした食感をフワッとに変え、大人気になりました。
卵かけご飯を香港向けにアレンジし、今のブームの仕掛け人と言われるのが社長のピーターさん。卵かけご飯との出会いは、日本のホテル。
ピーター社長:「朝食で日本のホテルには卵かけご飯がある。(旅行に行った時)よく食べていたので、あまり知らない香港の人に伝えたいなという気持ちがあった」
ピーター社長はそれ以来、卵かけご飯の大ファンだといいます。食べ方は日本流、日本産の卵としょうゆ、ふりかけをかけて、朝ごはんの定番メニューにしているといいます。
この大好きな卵かけご飯のおかげで、年商11億円まで急成長したといいます。
日本の文化・卵かけご飯は、香港で独自の進化を遂げていました。
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