SNSにアップされた1枚の写真。
笑顔がとてもキュートなフィリピンに住む、ソフィア・サビリアガさん、当時17歳。
しかし、その写真は、何故かいつも左目が隠されていた。
そしてある時、衝撃的な写真が公開された。
彼女の左目には、リンゴほどの大きな塊が。この塊の正体は、一体何なのか!?
7000以上もの島々からなるフィリピン共和国。
首都マニラから、南へおよそ800kmの場所にあるミンダナオ島・ブトゥアン。
そして都市部からさらに車で1時間半ほど離れた集落でソフィアは生まれた。
生まれた時は健康そのもの。元気な赤ちゃんだったソフィア。
異変が起きたのは、生後7か月頃だった。
左の眉毛の下に、ニキビのようなできものが。
それは成長するにつれ、どんどん大きくなった。
家が貧しく、すぐに病院に行くことが出来なかった事情もあり、
ソフィアが6歳になる頃には…できものは5cmほどの大きな塊となった。
のちに判明するこのソフィアの病名は…特発性眼窩炎症だった。
実は眼の周りにできた塊の正体とは、リンパ球がたくさん集まったもの。
本来、体内に入った病原体や異物を攻撃し、体を守る役割をもつリンパ球。
それが、何らかの理由で眼の部分に集まって塊を作っていた。
ソフィアの場合は、左目の周辺で発生したが、体のどこでも起こる可能性はある。
一方で、悪性腫瘍でないため転移はしない。
大きくなった塊…幼いソフィアが考えたのは、前髪を大きく垂らし左目を隠すことだった。
10才になると、大きなコブのせいで左目の視力を完全に失ってしまったソフィア。
成す術もないまま月日は過ぎ…。
ソフィアが15才になるころには野球ボール程の大きさまで肥大してしまった。
大きなコブは神経を圧迫し、頭痛を引き起こした。
実は、この痛みは…大きな危険をはらんでいた。
目の周りには太い血管が通っているため、万が一、傷ついた場合、大量出血の恐れがあった。
SNSとの出会いが人生を変える
そんな中…11才年上のいとこの誘いで…ソフィアはSNSに自分の写真をあげた。
きれいにメイクをし、長く伸ばした髪で左側を隠した写真。
すると…ソフィアに向けてたくさんの好意的なコメントが。
嬉しくなったソフィアは、自分の写真を何枚もアップした。
一方で…どんなに写真の中で取り繕っても本当の自分は違う姿。
それに悩み、苦しみんだ末…ソフィアは驚きの決断をする!
2018年4月。
SNSを通して、左目の腫瘤と呼ばれる塊をあらわにした状態の写真をアップしたのだ。
すると…海外のメディアでも取り上げられ、反響を呼んだ。
さらに、NGOやクラウドファンディングが立ち上がり、資金が集まった!
今年3月。
ソフィアさんは、ミンダナオ島を離れ、マニラの病院にやってきた。
ついに、彼女を苦しめていた腫瘤の摘出が行われる。
そして手術当日の午前7時30分。麻酔がかけられ、手術が始まった。
外に飛び出ている部分だけでなく、深く眼窩を埋め尽くしている腫瘤も取り除く。
手術開始からおよそ1時間、腫瘤が摘出された。
そして手術から6日後、ソフィアはカメラに笑顔を見せた。
数日前に手術をしたばかりだというのに、立ち上がる彼女。
お気に入りの赤いドレスに着替えると、いとこのジニーさんに連れられ撮影会が始まった。
やがてSNSには新しい写真が投稿された。
手術から4か月半…仰天スタッフは再び彼女を尋ねた。
その左目には…シリコンで作られた、エピテーゼと呼ばれる装具が付けられ、より自然な見た目となった。
勇気を出して投稿した1枚の写真から人生が変わったソフィア。
これまで人目を気にして行けなかった学校にも、通い直すことが決まったという。